固着したプラスネジの対処方法まとめ

DIY一般

以下の方におすすめの記事です

  • プラスネジが錆びていて回せない
  • 対処方法をネットで調べてやってみたがうまく行かない
  • ネジ頭が舐めてしまった

DIYやレストアをしていると、プラスネジ・六角ボルトの固着はよく発生する問題だと思います。そこで、固着に対する対応方法をまとめてみました。
なお六角ボルトの固着に関する対処方法は、以下の記事で紹介していますので、ご参照ください

固着した六角ボルトの対処方法まとめ

プラスネジの固着に対する対処法の一覧

  • ドライバーの使い方(押す力:回す力=7:3)
  • 固着用の潤滑スプレーを吹く
  • 貫通ドライバーをハンマーで叩き衝撃を与える
  • 六角付き貫通ドライバーを使ってスパナで回す
  • インパクトドライバーで回す
  • ネジザウルスでネジ頭を掴んで回す
  • ショックドライバーで叩いて回す
  • ネジ受け部をバーナーで熱する
  • ドリルでネジを破壊する

上記のそれぞれの方法については、ページ下部にて詳しく説明します。

ドライバーの使い方(押す力:回す力=7:3)

基本的なことですが、ドライバーは押す力が重要であり、一般的に、押す力:回す力=7:3が適切と言われています。
特に初心者の方は回すことに躍起になってしまい、押す力がおろそかになりがちです。そして押す力が弱いと、ドライバー先端が滑ってねじ頭が舐めてしまいます。

固着したねじを回すときは、①体重をかけて押す力に全力を注ぐ、➁徐々に回す力にパワーを分散していく、③滑りそうな気配がしたら止める、という手順が良いと思います。

固着用の潤滑スプレーを吹く

効果 ☆☆   難易度 ☆   

この手法は、最も簡便でリスクもないため、はじめにやってみるべき対策だと思います。
使い方は、ネジにスプレーするだけ。吹いてすぐに回すのでなく、少し時間をおくと潤滑剤がゆっくり浸透し、効果がでることもあります(待つ時間は人によりますが、30分から一晩くらいが一般的です)。

潤滑スプレーにも色々な種類がありますが、有名なのは以下の潤滑剤です。

凍結浸透ルブは、ネジを冷やして収縮させることで、ネジとねじ山の間に隙間を作り、潤滑剤を浸透させます。
ラスペネは、ケミカルで名高いWAKO製の潤滑剤で、最も有名です。少し値は張りますが、「一番効果がある」と愛用する方も多い潤滑剤です。

潤滑剤にはリスクはほとんどありませんが、ネジ頭に潤滑剤をつけないように注意しましょう。ネジ頭に潤滑剤があると、ドライバーを回すとき滑ってネジ頭が舐める原因となります。

貫通ドライバーをハンマーで叩いて衝撃を与える

効果 ☆   難易度 ☆  

この手法も、リスクが少なく簡便な手法なため、とりあえずやってみていいと思います。
やり方は、貫通ドライバーをネジ頭にあてがい、貫通ドライバーのお尻をハンマーで叩きます。これにより、ねじに衝撃を与えて固着を外します。潤滑剤と組み合わせると、衝撃で生じた隙間に潤滑剤が入り混むため、効果がアップします。

この手法のリスクはほとんどありませんが、デメリットとしては効果が劇的ではないとことが挙げられます。ただし、やって損はないので、私は潤滑剤を吹いたらとりあえずトントンしてみています。

六角付き貫通ドライバーを使ってスパナで回す

効果 ☆☆☆   難易度 ☆   

個人的に最もおすすめしたいのが、この手法です。
やり方は、ドライバーを全力で押し付けながら、スパナを六角部にかけて回します。

VESELのメガドラは先端がギザギザになっており、ねじ頭をグリップしやすいのでおすすめです。

普通にドライバーを回す場合だと、押す力と回す力にパワーが分散されてしまいますが、この手法では押す力に全力を注いだうえで、スパナを使って強力に回転させることができます。そのため、舐めるリスクを抑えたうえで、確実にネジを回転させることが可能です。

またこの手法は、精密ドライバーのグリップをペンチでつかんで回すことで、小型ネジの固着にも応用できます。

画像

インパクトドライバーで回す

効果 ☆☆☆   難易度 ☆☆

この手法は簡便な手法ですが、ネジ頭を舐めるリスクが高いので、少し上級者向けです。

やり方は、インパクトドライバーを全力で押し付けながら、回転トリガーを引くだけです。

この手法は、うまく行けば一瞬でネジを回すことができます。しかし、ドライバーの力が強力なため、一度滑ると一瞬でネジ頭が舐めてしまいます。そのため、経験的にインパクトドライバーの力で回せそうなネジを判断できる、上級者向けの手法だと思います。

ネジ頭をネジザウルスで掴んで回す

効果 ☆☆☆   難易度 ☆  

この手法は、ネジ頭が舐めてしまった場合にも有効です。また、ドライバーを下からあてがう場合などで力が入れにくいときも有効です。
やり方は、ネジザウルスでネジ頭を全力でつかみ、回すだけです。

ネジザウルスはペンチ先端のギザギザでネジ頭を掴むため、ペンチの持ち手を握る力が重要です。素手だと力が入れにくいため、手袋などをして握ると、ねじ頭をしっかり掴むことができます。

またあまり知られていませんが、ネジザウルスには小型ネジ用のサイズもあるので、舐めてしまった小型ネジにも対応できます。

ショックドライバーで叩いて回す

効果 ☆☆   難易度 ☆☆  

ショックドライバーは、強く押す(衝撃を与える)ことでドライバー先端が数十度回転する仕組みのドライバーです。
使い方は、ドライバーをねじに押し付けながら、ハンマーでドライバーの尻を叩きます。

ショックドライバーは、ハンマーでたたいたインパクトの瞬間に回転します。そのため、強い力で押しながらネジを回すことができますし、ハンマーの衝撃で固着を剥がすことができます。原理上、強く押した状態でしか先端が回転しないため、ねじを舐めるリスクは低いです。

一方、かなり強く押さないと先端が回転しないため、ドライバーを押し付けられなかったり、ハンマーで叩きにくい場所ではドライバー先端が回転しないことがあります。人によっては、「どれだけ叩いてもドライバーが回転しなかった」とレビューしている方もいます。
単にハンマーで叩くだけでなく、体重をかけてドライバーを押し付けながらハンマリングしたほうがいいでしょう。

ネジ受け部をバーナーで熱する

効果 ☆☆☆   難易度 ☆☆☆   

 金属は、温度が上がると膨張します。そのため、ねじ受け部の金属を熱することで、ねじとねじ受け部の間に隙間が生じ、固着が外れることがあります。
やり方は、ガスバーナーでねじの受け部を熱します。熱しただけで固着が剝がれることもありますが、熱した直後にハンマーで叩くなどすると、より固着が剥がれやすく、効果的です。

この手法は固着を剥がすという意味では最も効果的な手法ですが、ガスバーナーを使うため、周辺部品にプラスチックが含まれていないことが前提となります。また塗装のある場所では塗装にダメージが入る点にも留意する必要があります。
エンジン内部など元々熱がかかる場所では、あまり気にせずガスバーナーを使えますが、それ以外の場所では部品を分解したり保護したりして、しっかり準備をしてから作業したほうがよいでしょう。

ドリルでネジを破壊する

効果 ☆☆☆   難易度 ☆☆☆   

この手法は、ねじ頭が完全に舐めてしまったり、ねじが折れてしまった場合の最終手段です。
やり方としては、まず、ねじ径より少し太いドリルでネジ中心部に穴をあけ、ねじを破壊します。そして、もとのねじ径より少し大きいタップで、ネジ山を切りなおします。

金属を掘り進めるため時間もかかりますし、まっすぐに掘り進める必要があります。また基本的にネジ山も破壊しますので、ネジのサイズを大きくする必要があります(上級者は、ねじだけを破壊してネジ山を保持することもできるらしいですが)。
手間も技量もかかるため、最終手段として使うべき手法です。

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